流産率の低下と着床率の向上を目的とする着床前診断を推進する会

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女性

2018.03.29

妻37歳、卵巣年齢50代。夫36歳、男性不妊。
2年間で6つの病院を渡り歩いて約400万円かけて採卵5回移植5回しました。でも結果は流産1回陰性4回。漢方もやった、鍼もやった、体質改善もした、仕事もやめた。これ以上何をやったら授かるの?破産するまで採卵移植を繰り返すしかないの?途方にくれていました。
けれどどの病院も、「原因はわかりません、卵の質です」の一点張り。じゃあその「卵の質」を調べられないの??そこで辿り着いたのが、着床前スクリーニングでした。そして、着床前スクリーニングに踏み切ってわずか3周期、2回の採卵で2個正常卵が見つかり、たった一度の移植で授かりました。しかも1人授かるのも奇跡だった私に、残った正常卵で第二子の可能性まで‥!ただただ感謝しかありません。

今思うことは、もっと早くやれば良かった。それだけです。流産を何度もしていない、転座もない自分には着床前スクリーニングはできっこない、関係ないと思っていた、いや思わされていました。学会が認可していないという理由で。本当は不妊に悩む人なら誰でも受けていい、受けられる、受けるべき検査なのに。
よく考えれば単純な算数で、例えば1回の採卵で受精卵が10個できても、40歳なら正常な卵の確率はそのうちたった2個。授かるまで最悪8回無駄な移植をする事になる。それが着床前スクリーニングをすれば、先に正常な2個を見つけて、移植することができる。どっちが身体的、精神的、経済的に効果的な「治療」かは明らかです。技術も確率されている、他の国では当たり前のように行われている。なのに、たかが学会で認可されていない、それだけの理由で日本では受けられません。流産するかもしれない、着床しないかもしれない卵を「運命の卵」と信じて、信じさせられて、何百万円もかけて、仕事も人生も犠牲にして、流産して、何周期も無駄にして、移植し続けた自分がバカみたい。事前に分かる検査があるのに。今の不妊治療はまるで命を、人生を、かけたギャンブルのようです。その成功率を上げる技術が存在するのに、なぜどこでも受けられないのでしょうか?

「命の選別」と言っているのは、誰でしょう?授からない私達には「選別」する程の命がないのに。「命の選別」だと思う人は受けなければ良い。
きちんと認可してそこのルールを整備することこそが大事ではないでしょうか。まずは受ける受けないの選択肢を与えて欲しい。 私は幸いにも着床前スクリーニングのお陰で赤ちゃんを授かりました。治療で今も苦しむ人の事を考えると胸が潰れそうで、こんな事を言うのも申し訳ない思いだけれど、でも、本当に幸せです。子供がいる人生は幸せで、そうでない人生は幸せでないとは思わないけれど、望んで望んで授かった赤ちゃんは、想像を遥かに超えて愛おしく、とてもとても幸せです。

無駄な採卵移植を繰り返したせいでお金が底をつき、年齢が限界を迎え、心が疲れ果ててしまって治療を諦めた人々がどれだけいるでしょう。
その人達が、もし着床前スクリーニングを受けられていたなら、今頃夢見ていた柔らかな愛しい赤ちゃんを胸に抱き、子育ては大変だと愚痴を零しながらも、幸せを噛み締めて生きていたかもしれません。でもその人達に、その人生を生きることは、もう一生できないのです。世の中の多くの人が、普通に手に入れる事のできる、この愛おしい存在を抱く事ができないのです。それが悔しい。そして、今治療している殆どの人が、その可能性に恐怖し、悲しみ、苦しんでいます。それも悔しい。 どんな人にも、そんな思いをして欲しくない。もっと多くの人に、着床前スクリーニングを知って欲しい。受けてみて欲しい。受けられる社会になって欲しい。治療に何百万円も使い、キャリアやライフプランが滅茶苦茶になってしまった、私の様な苦しみを誰にも味わってなんか欲しくない。もちろん着床前スクリーニングは必ず授かる万能薬ではないけれど、治療法の1つとして受けられるようになって欲しい。出口のないトンネルのようだと言われる不妊治療の光の差し込む出口の1つとなって欲しい。ただただ、それだけを願っています。