流産率の低下と着床率の向上を目的とする着床前診断を推進する会

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不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター講座へ参加

2019.06

先日6月8、9日の土日に東京の虎ノ門で行われた不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター講座に事務局員が参加してまいりました。
不妊症並びにカウンセリングに関わる基本事項と不妊治療の「今」を医師や心理士から学んだ充実した2日間でした。

その中でほんの2つですが皆さまに共有させていただきたいことがありメルマガにしました。

まずは体外受精ガイダンス、不妊治療ガイダンスの著者でもある荒木茂雄先生の「生殖医療の基礎知識」の1問1答の講演の中から基本的なところを抜粋させていただきます。

問)体外受精によってどのような治療成績が得られているのか
答)治療を開始した周期当たりの生児が誕生する確率は12%ほどと比較的低く反復して治療が試みられています。

生児出産率が低いのは

①比較的高齢な女性が多いこと
②多胎妊娠を避けるために原則として1個の受精卵しか移植しないこと。
③過剰な卵巣の刺激を避けるために排卵誘発剤の使用を抑えた方法を試みるクリニックが多くなったこと、などが考えられます。

ARTによって妊娠を目指し治療を開始しても採卵に至らないか、採卵に至っても胚移植に至らないこともあり、治療が中止されることもあります。

多胎妊娠については、

2008年に日本産科婦人科学会が「34歳以下で胚移植が2回目までの場合移植胚数を1個とする」「ただし35歳以上の女性、 または2回以上続けて妊娠が不成立であった女性などについては2個移植を許容する」と勧告しています。
それに伴い多胎妊娠は減少し2015年データでは新鮮胚移植での多胎妊娠率は3.1% 凍結融解胚移植では3.2%と低値に留まっているようです。

我が国の全国統計によれば幸い移植可能な胚が得られ胚移植に至った場合、赤ちゃんの生まれる割合は新鮮胚移植あたり14.4%、凍結融解胚移植あたり33.2%と報告されています。

荒木先生は「世界で1番子供が生まれない体外受精を日本がしている。100人に12人しか体外受精をしても出産に至らない。
2番目に低い国はアフリカのトーゴという国です。」と仰っていました。

最先端の医療技術や施設がある先進国の日本が名も知らないような小さな国トーゴより体外受精の出産率が低いなんて驚きでした。
これは最初に書いた3つ以外の原因以外に日本ではPGT-Aを認めていないことが大きな要因ではないかと思います。

2つ目は、諏訪マタニティークリニックの根津先生の講演から。
根津先生は減退手術や代理出産で倫理観にかける行為をしているとバッシングされた先生ですが「医師は患者の為にあり、医療は国民の為にある」という大原則のもと目の前の患者の為によりよい医療を責任もって全うする素晴らしい先生だと私は考えています。

根津先生も「世界のARTの40%近くにPGT-Aが用いられている。検査や治療の選択権は患者にある、その権利を日産婦は奪っている」と熱弁されていました。

この2日間の講演の中ではカウンセラー育成のための講演内容なのでPGT-Aについてはほとんど触れてはいなかったのですが

「PGT-Aが

①患者の意思で
②知識と経験のある遺伝カウンセラーと培養士のもと、
③一人一人にあった的確なプロトコールが組める医師のいる最新の技術と機械を持つ病院で
④遠方ではない気軽に行ける土地で1日でも早くできる日がくれば

日本の出生率も世界最低から脱するのではないかと思いました。