アンケート調査の結果報告
8-1 転座・遺伝子疾患等をお持ちの方で、着床前診断を検討中、治療中および妊娠中の方からの回答まとめ
PGT-Aと同様に、Preimplatiton Genetic Testing for Monogenic/single gene defects(PGT-M)、Preimplatiton Genetic Testing for Structural Rearrangemen(PGT-SR)による着床前診断(PGD)は、転座や遺伝子疾患などをお持ちの方が子供を希望する場合に必要とされている検査です。
現在、着床前診断は日本産科婦人科学会の求める要件を満たした施設から日本産科婦人科学会の倫理審査委員会への申請を行い、その承認が得られてから治療を開始できるようになります。
本アンケートの対象者は転座(ロバートソン転座含む)や遺伝子疾患などをお持ちの方で着床前診断(PGT-A、PGT-M、PGT-SR)を利用した不妊治療を検討中、治療中、治療によって妊娠中の方です。
アンケート対象者のお住まいの地域
回答数 | |
宮城県 | 1 |
埼玉県 | 1 |
東京都 | 2 |
愛知県 | 2 |
滋賀県 | 1 |
大阪府 | 1 |
岡山県 | 1 |
香川県 | 1 |
アンケート対象者の女性が着床前診断を始められた(検討中の方は現在の)年齢を教えて下さい
回答数 | |
25~29歳 | 1 |
31 | 1 |
32 | 1 |
33 | 2 |
35 | 3 |
38 | 1 |
41 | 1 |
受けられた着床前診断(PGT-A、PGT-M、PGT-SR)について教えて下さい
回答数 | |
日本産科婦人科学会認定施設で申請のうえ受けている | 1 |
日本産科婦人科学会の認可施設と認可外施設の両方で受けている | 0 |
認可外施設で受けている | 7 |
施設を検討中あるいは学会へ申請中 | 0 |
無回答 | 2 |
申請から受けるまでにかかった期間 (認可施設で受けられている方のみの回答)
1ヶ月〜6ヶ月
治療結果について (認可施設で受けられている方のみの回答)
回答数 | |
治療中 | 2 |
治療結果について (認可外施設で受けられている方のみの回答)
回答数 | |
治療中 | 2 |
妊娠中 | 5 |
認可外施設で受けた理由を教えて下さい
- 流産1回のため、認可施設であっても受けることが認められないと考えたため。また時間ももったいなかったので。
- 流産一回で申請できないため
- インターネットで●●先生のことを知ったため。
-
学会に申請をしても、許可がおりるかどうか定かではないし、申請〜認可までの長い期間を無駄に過ごしたくない思いが強かった。
認可外であっても、実施している事を堂々と公言し治療されている事、着床前診断といえば…と有名なくらい実績NO.1という信頼が厚いクリニックだと思えた事から選んだ。 - 「遺伝子疾患などをお持ちの方で着床前診断(PGT-A、PGT-M、PGT-SR)を利用した不妊治療を検討中」に該当しているので、当アンケートに回答しています。従いまして、すでに受けたわけではなく検討中としてですが、***を予約しています。
- 一刻も早く受けたかったことと、信頼性が高いクリニックだと思ったこと。
<認可外施設での治療について補足など>
通院する前にネットから情報を得て、着床前診断を受けて100%妊娠出産出来るわけではない事、費用面で普通の体外受精よりも高額な事、それぞれ理解して通院する事を決めました。女性は年を重ねるごとに妊娠出産出来る可能性が下がる一方です。それに加えて私たち夫婦は転座保因という更に妊娠出産する為に障害となる要因があると判明しました。転座保因者には着床前診断がとても有効であるという事を知り、一刻も早く受けたいと思いました。しかし学会に申請をしても、ある一定の条件を満たしていないと許可が下りないと知り、愕然としました。その条件の内容にも唖然でした。どうしてこの検査を必要としている人が、自ら選択して受ける事が出来ないのか?自由に選択して受ける事が出来るクリニックがあること、それが当たり前の事だと思います。このクリニックに通院して、なんの後悔もありません。信念を持って治療をしてくださる事に感謝しかありません。今妊娠出来ているのはこのクリニックに出会えたからです。”認可外施設”と呼ばれる部類になるのかもしれませんが、腑に落ちません。
※以下は回答者全員が対象の質問
着床前診断に対する意見・感想・体験談など
- 少なくとも転座の場合、どこでも受けられるようにしてほしい。
- 転座などの場合には流産がなくとも診断ができるようにしてほしいです、すでに移植7回も陰性、流産も経験しています。それでも認可されない理由がわかりません。
- 転座のせいか、なかなか正常胚が見つからず、6回採卵、着床前診断をしたので、500万程、金額がかかり辛かった。それで見つかった正常胚は4個のみ。2回目の移植で妊娠した。
-
私たち夫婦が転座保因夫婦でなかったら、着床前診断を受ける選択をしていたかは全くもって分かりません。自然妊娠の経験もあるので、一度も流産せず出産出来ていたなら”着床前診断”を知らずに今日まで過ごしていたかもしれません。しかし、着床前診断を必要とする人は転座保因でなくても沢山いるという事、着床前診断を受けて流産率を下げる事が可能だということ、流産率を下げる為のひとつの選択肢だということ、そういった事を知っている今、必要としている人がいるなら背中を押してあげたい、と思います。また、認可されていない現状は腑に落ちないので認可される事を望んでいます。
転座保因の私達夫婦は、初めての検査で12個の胚盤胞のうち、転座の部分をクリアしていた胚盤胞は4個でした。そのうち正常と診断されたのは1個だけ、そのほかはモザイクという転座以外の染色体診断結果がグレーな胚盤胞でした。
そもそも検査を受けずにひたすら12個のうち見た目のグレードだけで順々に移植をしたとして、それらが転座クリアしていない胚盤胞なら、着床→心拍確認まで辿り着けても、私達夫婦の場合確実に流産になっています。そんな現実を、学会の人達は知っておられるのでしょうか?それを知っていながらも認可せずに私達から選ぶ権利を阻害しているのでしょうか。
もちろん、転座クリアをしていても100%着床→出産まで辿り着けるとは限らない事、それは重々承知です。私の場合、たったひとつの正常胚盤胞の移植は着床せずでした。その結果はとても辛かったですが、それでも着床前診断を辞める事は出来ません。辞めてしまえば、やはりもっともっと辛い現実しかないのです。我が子を持つ事、それを諦める事を視野に入れるほどです。それほど流産は辛いのです。
今回の妊娠は、転座クリアしているモザイク胚盤胞を移植しての妊娠継続です。モザイクと診断された胚盤胞を移植する事は懸念されますし、私達夫婦も少し悩みましたが、転座をクリアしている事はとても前向きに考えられる大きな要因でした。検査を受けていなければ、それすらわからない胚盤胞なのですから。
モザイク胚盤胞と診断されたからといって破棄する人がいることも少なくなく、それが現状です。学会の人達にすれば、そういった事も命の選別とされるのでしょう。
今回私が結果的に妊娠継続出来ている事は、もしかしたら幸運なのかもしれません。しかしこれはやはり着床前診断を受けていたからこそ、継続出来ているのだと心底思います。転座保因者にとって、本当に必要で有効である検査なのです。 -
資料請求して届きましたが、費用が高すぎて、驚きました。
第一子に遺伝子疾患があるので、第二子を望んでまた遺伝していたら…と思うとなかなか踏み出せない気持ちでいましたが、着床前診断をネットで拝見して、前向きに考えたいです。 - 毎回遺伝カウンセリングを受けないといけないのが手間。時間もお金もかかる上、染色体異常の結果は教えてもらえない。
- 流産を繰り返す転座保因者がいつでも受けられるようになるべきだと思います
- 3度妊娠しましたが、全て流産となってしまいました。その後検査を受けて、夫婦染色体相互転座がわかりました。
- 元々通っていたクリニックでは「妊娠と流産を繰り返し、いつか正常に妊娠する時を待つしかない」と言われましたが納得がいかず転院へ。
- 転院先ですぐに着床前診断を受けさせていただき、無事に正常胚が見つかりました。そして一回目の移植で妊娠することができ、現在妊娠20週を迎えることができました。
- 着床前診断を受けずにいたら、何度も流産を繰り返していたかもしれないと思うと怖くてたまりません。妊娠できない体になっていたかもしれません。着床前診断を受けられたことで、結果的に時間も最短で、金銭的にも救われ、何より精神的に救われたと思っています。転院先のクリニックと先生方、スタッフの方々には感謝しかありません。
同じ想いを共有する同志の皆さんに、一言で良いので何か伝えたい気持ちや言葉があればお願いします
- なにも手はないと言われていませんか?少なくとも、着床前診断を受けることが可能です。
- 転座でも諦めずに頑張りましょう!
- 治療を続けることは辛いです。1人で抱え込まずに、同じ経験をしている人に相談することで、気持ちが楽になることもあると思います。そして、もし妊娠できなくても、今やっていることは、決して無駄にはなりません。妊娠に執着し過ぎないことです。
- 遠方通院になる事や、金銭面での不安、仕事をしながらの通院など、不安に思う事や踏み出せない理由は人それぞれにあると思うので、簡単にお勧め出来る事ではないとは思いますが、もし着床前診断を受けたい気持ちが少しでも大きいのならば、後悔して欲しくないので通院して欲しいと思います。転座保因者にとっては、流産せずに妊娠出産する為にとても有効な検査だと思います。私は妊娠継続中なので出産しました!と言う経験者ではありませんが、着床前診断を受けてから約1年でのクリニック卒業となりました。それまでに3度の流産を経験していました。もし着床前診断を受けない選択をしていたなら、今、どうなっていたのか?それは誰にも分かりませんが、更に流産せずに出産まで辿り着けていたか?と考えると、そうは思いません。私にとって着床前診断は出産への1番の近道だろうと感じています。悩まれている方は是非一度、話を聞くだけでもいいので、専門のクリニックへ行ってみて欲しいです。
- 遺伝子疾患を持ったがために子供を病気で亡くしたり、とても辛い経験をされていると思います。同じ苦しみを繰り返さないために、ぜひ検査を受けて着床前診断に進んで欲しいです。
- 転座等を持っていても、医療の力を使うことができれば妊娠を継続して出産できる可能性は充分にあると思います。何もない方々よりは苦労もありますが、お互い諦めずに頑張りましょう!