お知らせ
女性
2018.03.29
私は38歳で2014年結婚し同時に不妊治療をはじめました。都内の大学病院でMRIを撮り多発性子宮筋腫を指摘されており不妊治療をしてできなかった場合は開腹手術を選択肢に入れることとなりました。都内でAIH6回、2015年からは採卵7回、移植9回行いました。結果は一度、10週で流産しました。
流産手術の後の痛みが相当ひどく急患で運ばれたり流産手術後は子宮内膜が削られ、生理や内膜が元に戻るのに1年かかりました。MRIで子宮筋腫が年々急激に悪化しているのが分かり、月経量が増え健康診断で重度の貧血を指摘され不妊治療を始める前になかったチョコレートのう胞という病気まで発症してしまいました。
不妊治療は時間をかけると体も心もバランスを崩しボロボロになるのです。
できれば一回の治療で妊娠するべきなのです。
私は無知で遠回りしてしまいました。
チョコレートのう胞が5センチくらいになり漏れてたびたび腹膜炎になり倒れるようになりました。
10つくらいの大きな病院を回りましたが、執刀で有名な諸先生方も意見が割れました。
「腹腔鏡手術では無理です。多発性子宮筋腫で数え切れない、開腹手術になるがこれだけの手術やったことがいないので他の病院をあたって欲しい」とか
「卵巣のみ手術して子宮は何もしないほうがいい」とか「子宮筋腫は切除したほうがいいが15センチの大きな切開跡が残ります」とか
「子宮の手術はしないほうがいい。手術してしまったら子宮がペラペラになってしまうよ。」とか
「妊娠出産を考えず再発を避けることを考えるなら子宮を全摘するのが一番」と当時40歳の私は全摘さえ勧められていました。
二度と流産をしないために大谷レディスクリニックに転院を決めていたのですが、手術すべきかせざるべきか、全摘出するべきなのか再発覚悟で筋腫のみ切除なのか唯一結論を出せるのは「着床前診断をして本当に卵が老化しているのか」確かめることだと思いました。
大谷レディスクリニックに東京から通院を始めました。
最初の採卵で3つ卵胞ができ採卵し3つ受精卵ができすべて胚盤胞になりました。
これを着床前診断に出し結果、幸運にも2つも「正常卵」がみつかりました。(判明当時41歳)
3分の2の確率で正常卵というのは20代の結果と同じです。
「高齢だからもう妊娠は難しい、諦めてください」と大きな病院で言われていた言葉を否定できたのは大谷先生のお陰で、「高齢でも正常卵がとれることがある。まだあきらめる必要はない」と思えるようになりました。
私は開腹手術を受ける決心をし結果40個以上も筋腫を摘出し、両側のチョコレートのう胞を切除しました。
出血がひどく輸血もしましたが、「年齢的に子宮全摘」を勧めていた執刀医が「正常卵があるなら」と方針転換して子宮を残すオペをしてくれました。
着床前診断は、流産を避けるのみならず、総合的な不妊治療の医療方針を検討する材料になります。
医師が検査もせず「卵子の老化」と年齢でひとくくりにし妊娠できない理由を患者に「年齢だから」と納得させています。
「本当に卵子の老化なのか、PGS検査してから言っていますか?」と言いたいです。
老化現象は個人差があります。
PGSを何度しても正常卵がとれないのであれば子供は諦めて子宮全摘出という選択をしていたかもしれませんが私は選択を間違えずに済みました。
着床前診断がなければ、’年齢のみの先入観’で判断され子供を持つことをあきらめて私は子宮全摘出していたかもしれません。
世の中の不妊症の高齢患者様も本当の不妊の理由は「卵子の老化」ではなく実はほかのところにあるかもしれません。
PGSが禁止されている状態では「推測であったとしても今回の不成功は卵子の老化」といえば医師が患者に言えば患者も「文句も言えず諦める」からです。
それは間違っています。検査(PGS)に基づき診療は行われるべきです。
癌でもない患者に調べもせず「癌です」と言っているようなものだと思います。
すべての医師が’PGS検査に基づき’不妊治療の診療方針を正しく下せるよう、卵がダメなのか母体側の要因(筋腫、着床不全、着床の窓があわない、血液凝固等不育症等)での不妊なのか不妊原因を掘り下げて推測するためにも着床前診断は必要と実感しています。
もちろん流産を避けるためPGSは必要です。
流産のために休まざるをえなかった半年~1年のブランクというのは高齢患者にとっては本当に大きな痛手です。
日本産婦人科学会のPGSの臨床の取り組みが諸外国に比べて遅すぎると思います。
いまは術後子宮を休ませ妊娠可能になりましたので2018年になり一年前(手術前)に凍結しておいた正常卵を神戸に迎えに行ってきました。
私はまだ諦めません。大谷先生がいるから諦めないでいられます。